ファンダメンタルズとは、国や企業などの経済状態などを表す指標のことで、「経済の基礎的条件」と訳されます。 国や地域の場合、経済成長率、物価上昇率、財政収支などがこれに当たり、企業の場合は、売上高や利益といった業績や資産、負債などの財務状況が挙げられます。
FXに関係する主な指標
〇米雇用統計
アメリカの雇用情勢を示す統計で、景気状況を探るうえで最も重要な指標のひとつです。
米労働省労働統計局(BLS)が毎月第1金曜日に発表します。
政府から最初に発表される前月の指標で、アメリカの景気の実体を表す最新の数値として、外国為替、株式、金利などのマーケットにも影響を与えるため、市場関係者が注目しています。
中でも最も注目される数字は、非農業部門雇用者数と失業率です。この数字が事前の予想に対して期待以上であれば相場は好転し、逆に期待外れだと悪化する傾向にあります。
〇ADP/新規失業保険申請件数
ADP雇用統計とは、アメリカの給与計算代行サービス大手のオートマティック・データ・プロセッシング(ADP)社のデータを利用して、全米の非農業部門雇用者数の予測をするために開発された統計です。
2006年5月から公表が始まったもので、米国雇用統計が発表される2営業日前に発表されます。
新規失業保険申請件数は、前週に初めて失業保険給付を申請した人数を示しています。
それぞれ米雇用統計の結果を予測するうえで重要と考えられている指標です。
〇GDP
GDPは、国内で一年間に生み出されたモノ・サービス・財などの付加価値の合計を表したデータです。ごく簡単にいうと国内で商品を買ったり、家を建てたりして使われたお金の総計ともいえます。
日本の実質GDPは2015年が約529兆円、2016年は同532兆円、2017年は547兆円でした。GDPの中には、日本企業が海外で生産したモノやサービス、また商品の原材料費などは含まれません。
GDPが前年同期や前期と比べてどのくらい増減したのかを見ることで、国内の景気変動や経済成長を推定することができ「%」で示したものを経済成長率と呼びます。
〇ISM製造業景況感指数
ISM製造業景況感指数とは、全米供給管理協会が公表しているアメリカの製造業の景況感を示す指数のことをいいます。
300を超える製造業企業に対して「新規受注、生産、雇用、入荷状況、在庫」といった項目に関するアンケートを実施して、回答結果から指数を算出しています。最新の状況を表し、しかも精度が高いとして信頼度も高いものになっています。
一般に、数値が50を上回ると景気拡大、50を下回ると景気後退と判断されます。月次の経済指標としてはもっとも発表が早いため、他の先行指標的な役割も担っています。
〇消費者物価指数
消費者物価指数とは、消費者が購入するモノやサービスなどの物価の動きを把握するための統計指標で、総務省から毎月発表されています。
指数は、全国と東京都区部の2種類あり、東京都区部は速報で集計され当月分が発表されます。全ての商品を総合した「総合指数」の他、価格変動の大きい生鮮食品を除いた500品目以上の値段を集計して算出されている「生鮮食品を除く総合指数」も発表されます。
消費者物価指数の変化をもって物価の変動を見ることができますので、消費者物価指数は、国民の生活水準を示す指標のひとつになっています。
CPIと省略されることもあります。
〇生産者物価指数
生産者が出荷した製品や原材料などの販売価格の変動を調査・算出した経済指標のことをいいます。
「卸売物価指数」として公表している国もあります。
生産者物価指数は、全調査対象の物価動向を示した「総合指数」のほか、製造段階別(原材料、中間財、最終財)、品目別、産業別などさまざまな分類があります。
世界各国で発表され、各国(地域)のインフレ動向を測る重要な経済指標として、消費者物価指数(CPI)とともにマーケットでも注目されています。
PPIと省略されることもあります。
〇PCEデフレーター
米国商務省経済分析局が発表する、個人消費の物価動向を示す指標で、個人消費のうち変動の大きい食品・エネルギーを除いたものです。PCEコアデフレータは、FRBの物価判断基準において最も重要視される指標です。
〇FOMC
FOMCとはアメリカの金融政策を決定する会合のことです。日本では、「日銀金融政策決定会合」で金融政策を決定していますが、それに当たるものがFOMCです。
FOMCは年に8回開催され、現在の景況判断と政策金利(FF金利)の上げ下げなどの方針が発表されます。その結果が市場の予想とは違った場合には、株式市場や為替レートが大きく変動することがあり、世界の金融マーケットにも大きな影響を及ぼします。
ファンダメンタルズは、国や地域、企業などの経済状況に影響を与える基礎的な要因のことをまとめて指す経済用語です。基礎的事項、経済の基礎的条件などと訳されます。
このファンダメンタルズの長期的な推移・変化に着目して、相場の先行きを予測する手法がファンダメンタルズ分析です。
為替相場は有事や突発的な事故、事件、災害などによってもファンダメンタルズは大きく変わるなど、さまざまな要因が影響されます。
これらをすべて考慮して、相場が上がるか下がるか予想するというのは、極めて困難です。
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